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はじめに


今回は、「動画制作を確実にやりとげるための“工程の把握”と“絶対原則”」の中の
「企画」の部分を掘り下げてご説明していきたいと思います。

動画制作における「企画」とは
作品そのものを考えることです。企画がなければ何も始まりません。
企画は制作のスタートラインになります。
特になにかを伝えないといけない動画の場合(ほとんどの動画がそうですが…)企画段階で
しっかりと決めなければいけない事があります。


その①「誰が」「誰に」「何を」伝えるための動画なのか


これを明確にしておかないと制作途中で方向性がぶれたり、
極端な話、何を目的に制作しているのかが分からなくなってしまいます。

例えば…
結婚式のVTRを制作するのであれば、
「新郎」が「新婦」に「結婚してくれてありがとうという気持ち」を伝える
「新郎新婦」が「来賓のみなさま」に「二人の馴れ初め」を紹介する
お店のPR動画を制作するのであれば、
「店員」が「お客様」に「おすすめメニュー」を紹介する
「お店」が「お客様」に「お得なキャンペーン」を告知する
など当たり前のようですが、これはしっかりと考え、制作の関係者と共有をすることが大切です。


その②制作期間、稼働人数、予算


発表までの日にちから、撮影、編集、チェック、修正に使える時間を計算します。
それを確定させ、その①で決めた内容で実現可能な動画を考えます。

これをはっきりさせないと、企画でいくらおもしろいアイディアが出たとしても、実現できなくなってしまいます。
予算や人数などは工夫でクリアできる場合もありますが、日数だけはシビアに考えるべきでしょう。
発表の当日に間に合わず、中途半端なものを渡すのは、頼んだ方も頼まれた方も報われません。


その③構成台本を作成する


その①、その②で決定したことをもとに台本を書きます。
映像関係に携わっている人以外はなかなか台本を作るという事自体慣れないことだとは思いますが、
撮影や編集のベースとなるので、必ず作りましょう。


構成台本のサンプル


このようにシーンごとに内容を書き出していきます。(絵コンテを書き込む場合もあります)
どのシーンでどういう画を使い、どういうテロップを入れるかを考えます。
この台本を制作することにより、制作関係者が一つのイメージを共有し、方向性を定めることができます。


以前、私が友人の結婚式のサプライズVTRを制作したときに、
打ち合わせや、準備期間などが充分にとれず、大雑把な企画案のみで撮影をスタートしてしまったことがあります。
カメラを新郎に預けて撮影してきてもらうという企画で、撮れた映像を私が編集することになっていました。
受け取った素材を確認してみると、必要なコメントが撮れていない、企画的に不必要なものが大量に撮れている、という状況でした。
結局その素材をもとに当初の企画案とは違う台本を作り直し、時間ぎりぎりで制作することになりました。
新郎新婦は満足してくださったので幸いでしたが、これでは当初の企画案にかけた時間は全て無駄になった上に、
切羽詰まった状態で編集をしなくてはなりません。
こういう事態を避けるためにも、企画案をもとにしっかりと台本を制作しておくことが重要なのです。


その④スケジュール制作


台本が完成したら、次は撮影スケジュールと編集のスケジュールを作ります。
撮影のスケジュールは、できることならばロケハン(現場を事前に確認すること)をして、撮影当日に
どのような時間で動くかを書き出します。

編集のスケジュールは、撮影する素材の時間(録画時間)と完成品の尺を考え作ります。


撮影スケジュールと編集のスケジュールのイメージ


この図の内容の説明は、「編集」のトピックで詳しく解説します。
編集は思っているより時間がかかるものなので(PCのスペックやソフトの設定や書き出しなど)
想定している時間の3倍くらいはかかると見積もっておくと良いでしょう。


まとめ


以上の事を「企画」段階で決定しておくことで、完成までの道筋が見通せ、不安なく制作することができます。
ここまで大掛かりにやる必要はないと感じるかもしれませんが、自分だけが楽しむだけの動画ではなく、
誰かに動画制作を頼まれた場合は是非実行してみてください。相手に安心感と、大きな満足感を与えることができるはずです。


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