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はじめに
今回は動画撮影時のカメラ設定のやり方について解説していきます。
初心者のうちはカメラ設定を、おまかせの自動(オート)撮影にしていても充分ですが、
動画の見栄えとしては、どうしても無難で平凡なものになってしまいます。
撮影する場所や、目的に応じてカメラの設定を使いこなすことができれば
、実際に見ているより料理を美味しそうに映したり、映画のようなフィルム風の映像にしたりと、
ちょっと普通とは違う動画を制作することができます。
ホワイトバランス
撮影時に、光というのは一定ではありません。
時間帯(朝・昼・夕方・夜)、天候(晴れ、曇り、雨)、照明(蛍光灯、白熱電球)などによって様々な違いがでてきます。
カメラはこの光の色を認識させてあげないと、実際の色味では収録してくれません。
白いものが青白く写ったり、黄色くなったりしてしまします。
そこで、ホワイトバランスの調整を行うのです。
ホワイトバランスとは、
収録時の光の色を正しく認識させ、白色を正しく映せるように調整する機能のことです。
調整の仕方は、「屋外」「屋内」「オート」「プッシュ」など、カメラのメーカーや機種にもよりますが、
プリセットを選択することができます。その中から写っている白が実際に目で見ている白に近いものに設定します。
私の使っているSONYのVG20というカメラには、現在写っているものを白として認識させる、プッシュという機能があります。
また、あえて実際とは違うホワイトバランスにして、映像の雰囲気を変えるというテクニックもあります。
自分の趣向と合うバランスを探してみるのも面白いと思います。
下の動画で、設定別の色味の違いを比較してください。
実際に見ている色味はオートとプッシュが近くなっています。
【ホワイトバランス比較動画】
明るさ設定
収録した映像が明るすぎたり、暗すぎたりした場合、後の編集である程度は修正することができますが、
ノイズが乗ってしまったり白がつぶれてしまったりすることがあります。
編集で修正できる範囲には限度があり、編集時の手間や美しい映像に仕上げるためにも、
撮影時にしっかりと明るさの調整をしましょう。
明るさの調整は、主に「絞り」「シャッタースピード」「ゲイン」で行います。
絞りは開いている(F値が低い)方が明るく、フワっとした印象の映像になります。
絞る(F値が高い)と暗く、ガチッと締まった印象になります。
シャッタースピードは明るいときは速く、暗いときは遅くします。
シャッタースピードを遅くすれば明るくなりますが、被写体の動きが早いときなどは映像がぶれてしまうので注意しましょう。
また、蛍光灯の下ではシャッタースピードを蛍光灯の周波数に合わせておかないと、
フリッカー(細いちらつき)が発生してしまう事があります。
下の動画でシャッタースピードを比較しています。
蛍光灯下で撮影していますので、1/125ではフリッカーが発生しています。
また、1/10では水道の水がコマ送りのようになってしまっています。
【シャッタースピード比較動画】
次にゲインですが、これはCCDの感度を上げることで、暗いところを明るくすることができますが、
これは上げすぎると砂嵐のようなノイズがでてしまい、テレビ番組で夜動物を映しているような映像になります。
できれば、シャッタースピードと絞りで調節し、どうしても暗い場合のみゲインを上げるようにしましょう。
音声
撮影場所の音声も収録する場合は、音声のレベルを表示して、レベルオーバーしていないか目で確認し、
カメラにカナル式(耳に押し込んで密閉できるタイプ)のイヤホンをつないで、耳でモニタリングしてください。
レベルオーバーしたまま収録してしまうと、音が割れてしまいます。
ピンマイクで声のみを収録する場合はモノラル、環境音などをカメラマイクで収録する場合にはステレオに切り替えて収録しましょう。
音が割れていないか、風切り音は大丈夫か、電波ノイズを拾っていないかなどをしっかり確認してください。
音を後の編集で調整するのは、ほぼ無理(専門的なソフトや知識が必要)と思ってください。
ですので、音のチェックは入念にしましょう。
まとめ
以上の3つの設定をマスターすれば、自分のイメージする動画をより高いクオリティで制作することができるはずです。
ちょっとした設定の違いで、全く違う印象の映像になります。
自分なりの設定を色々なパターンで準備し、それを武器に撮影に臨んでみてください。