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はじめに


今回は編集編です。
編集とは、撮影してきた素材を、編集ソフトを使い、PCで作品に仕上げる作業です。

私は、AdobeのPremiereとAppleのFinal cutを使用しています。
WindowsやMACのパソコンに最初からインストールされている、Windows movie makerやi Movieでも
素材の取り込み&編集は可能ですが、様々な調整や追加効果、書き出し等に制限があり、
本格的な編集になると厳しいでしょう。

しっかりと作品を作り込みたい場合は、多少高価でも編集ソフトを導入することをオススメします。
できることの幅が広いため、ストレスが全然違いますよ。

また、PCのスペックにも注意してください。
HD(ハイビジョン)画質の編集というのは、PCに相当の負荷がかかります。
CPU、メモリ、グラフィックボード、ハードディスク等を整えましょう。

PCスペックに関しては後日掘り下げてご紹介します。


編集作業の流れ


①取り込み
撮影で収録した全ての映像を、編集ソフトを使い、PCのハードディスクに保存していきます。

取り込み先を空き容量の多いハードディスクに設定してください。HDの映像を1時間以上取り込む場合、
500GB以上の容量は確保したいところです。
ハードディスクは安いので、1TB以上のものを買っておくと良いでしょう。

転送速度も重要になるので、できればUSB3.0(最速:5Gbps)やIEEE1394(Firewire)(最速:3.2Gbps)で接続できる
(PC側にもポートがあるか確認が必要)ものがオススメです。

動画保存に最適な外付けハードディスク1 動画保存に最適な外付けハードディスク2
■バッファロー                 ■WESTERN DIGITAL
 HD-LB2.0TU3-BKC               My Book Studio WDBC3G0020HAL
 USB3.0を搭載し、容量も2TBある        Firewire800を搭載している
 価格は11,590円(2013.6.30現在)        USB3.0のポートがないMAC等にオススメ
                           価格は15,073円(2013.6.30現在)


②粗編集
取り込んだ素材の使いどころを大雑把に切り出していきます。

まずは撮影してきた素材がどのような映像になっているか確認し、把握しておくことで
この後の作業を効率的に進めることができます。

撮影した素材のOKテイクのみを編集ソフトのタイムラインと呼ばれる場所に並べていきます。
ここでは時間をかけず、台本に合わせて使えそうなカットどんどん並べてください。

粗編集が終わった時点で、制作依頼者にチェックしてもらいましょう。

NGなカットがあった場合、ここで修正しておかないと、後でとてもめんどくさい目にあいます。


③本編集
粗編で切り出した映像を制作意図に従って繋ぎ合わせていきます。
必要に応じて映像の加工や、特殊効果、場面転換効果なども加えます。

ここでポイントとなるのは、カットの繋目や、上手な効果を加えることです。

例えばインタビュー映像等で、しゃべり終わりですぐカットして次の場面に行ってしまったりすると、
せわしく、全体のテンポも悪くなってしまいます。ある程度カットの繋ぎ目には余裕を持たせましょう。
しゃべり始めと終わりは、15フレーム程度余分をもたすと良いです。

また、編集ソフトには様々なエフェクトと呼ばれる効果が用意されています。
上手に使えば効果的に映像を見せることができますが、
エフェクトを使い過ぎて逆にうるさい映像になってしまう場合もあります(初心者が陥りがち)。
なのでまずは、基本的なディゾルブといわれるエフェクトをマスターしてください。

ビデオトランジションと呼ばれるエフェクトのカテゴリに入っており、場面の転換などに映像同士を掛け合わせるエフェクトです。
様々な動画で多用されています。

カットやエフェクトを駆使して、企画に合った動画に仕上げていきます。

下の動画は素材をカットとディゾルブのみで繋いでいます。


④音編集
映像的に仕上がった後、音声の調整、音楽の挿入、アフレコ(台詞や音声を後から録音して挿入する)等を行います。

まずは本編集で繋いだ、カットの繋目の音を確認します。ブツッと音が途切れていないか、
しゃべり出しがしっかり収まっているかをチェックしてください。音の繋目にクロスフェードというエフェクトをかけると
音の繋がりが滑らかになりますので、カットで調節不可能な場合はそちらも試してみてください。

バックミュージックを入れる場合、しゃべりや素材の音と比較して、小さくなるように調節しましょう。

また、オーディオミキサーという機能を使い、全体の音量を調節しましょう。
一番大きい音が0の目盛りにくるようにしてください。
これがレベルオーバーになってしまっていると、音が割れた状態で作品が完成してしまうので注意が必要です。


⑤完パケ
①~④の作業が終了した作品を完パケといいます。

これを制作者、または依頼者の必要に応じた記録媒体に収録し納品します。
DVDやBlu-ray Disc等に焼く場合、専用のソフトが必要になります。
また、youtube等にアップしたい場合はその条件に合ったデータ形式に変換しましょう。


■DVDとBlu-ray Discの違い

比較項目 Blu-ray Disc DVD
容量(1層/2層)
※片面の場合
25GB/50GB 4.7GB/8.5GB
読み込みレーザーの色 青紫
転送レート ~36Mbps ~11Mbps
カバー層の厚さ 0.1mm 0.6mm
ディスクの種類
(2層は除く)
BD-ROM
BD-R
BD-RE
DVD-ROM
DVD-R
DVD-RW
DVD-RAM
DVD+R
DVD+RW
サイズ 120mm×120mm 120mm×120mm
1枚の価格 \500~(BD-R) \100(DVD-R)
画質 HD SD


■youtubeアップロード推奨設定

設定項目 設定内容
形式 H.264
コーデック H.264
ビットレート ターゲット -5000 kbps, VBR 2-pass
ファイルサイズ 100MB以下
フレームレート 23.976 or 29.97(オリジナルの方)
解像度 1280x720(720p)
アスペクト比(ピクセル縦横比) 16:9
フィールドタイプ プログレッシブ
コンテナ MPEGTS (MPEG2トランスポートストリーム)
音声形式 AAC
音声サンプリングレート 44.1kHz
音声チャネル数 2(ステレオ)
音声ビットレート 128 kbps


まとめ


上記の①~⑤の順序は、テレビの番組制作でも行っている最もスタンダードな編集の流れになります。
この流れを守って作業を行うと、ミスや時間のロスが少ないということです。
編集は納期との闘いでもあります。編集の流れをマスターし、時間効率を上げ、素晴らしい作品を作ってください!


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